HWYS評価⭐️⭐️⭐️⭐️
北海道ワインが直轄農場である鶴沼ワイナリーの専用品種で仕込み、瓶内二次発酵後に40ヶ月もの長期熟成を施した本格派スパークリングです。噛めるような濃厚なアロマと燻製を思わせる力強いパンチを持ち、本場シャンパーニュを凌駕する上品さを備えた、飲みごたえ抜群の逸品です。
キャッチコピー
40ヶ月の静寂が生んだ重厚な骨格。香りだけで噛めそうな濃密さと気品が満ちる、北の大地の本格ブラン・ド・ブラン。
基本情報
- HWYS評価:⭐️⭐️⭐️⭐️
- お酒名(日本語):トラディショナルメソッド北海道 Type C Blanc de Blancs 鶴沼収穫
- お酒名(原語):TRADITIONAL METHOD HOKKAIDO Type C Blanc de Blancs TSURUNUMA
- 酒類:果実酒(辛口スパークリングワイン・白・発泡性)
- 原産国:日本
- 生産地域:北海道浦臼町(原料葡萄産地:鶴沼)/醸造地:北海道小樽市朝里川温泉
- アルコール度数:12%
- 内容量:750ml
- 品種・原材料:ぶどう(北海道浦臼町鶴沼産)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
- 生産者:北海道ワイン株式会社
- 参考店頭価格:オープン価格
生産者・蔵元の背景とストーリー
北海道ワイン株式会社は、1974年の創業以来、冷涼な北海道の気候と風土に適したヨーロッパ系ワイン専用品種の栽培と醸造に挑み続けてきた、日本ワイン界を牽引するパイオニアです。創業者の熱い志から始まった葡萄栽培は、幾多の試行錯誤と豪雪や寒冷な気候との闘いを経て、現在では国内外のコンクールで高い評価を獲得する確固たる地位を築き上げました。
葡萄の故郷である北海道空知管内の浦臼町に位置する「鶴沼ワイナリー」は、日本国内でも最大級の規模を誇る直轄農場です。ピンネシリの山並みを望む雄大な丘陵地帯に広がる畑では、土壌作りから剪定、収穫に至るまで徹底した管理が行われており、冷涼な気候ならではのキレのある美しい酸味と、豊かな日照がもたらす凝縮したアロマを兼ね備えた葡萄が実を結びます。北海道ワインが掲げる「純国産・本物のワイン造り」の哲学が、この広大なテロワールに息づいています。

世界的にも名高いワインコンペティション「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)」でのシルバー受賞をはじめ、その品質の高さは国際的にも証明されています。北の大地が育んだ冷涼な気候の恩恵と、半世紀にわたり積み重ねられてきた醸造技術の結晶が、この「鶴沼収穫」シリーズに余すところなく注ぎ込まれています。
一般的評価・製法・こだわり
本銘柄「Type C」は、名門シャンパーニュと同じ伝統的な瓶内二次発酵方式(トラディショナルメソッド)によって醸造されています。白葡萄のみを使用して仕込まれるブラン・ド・ブランのスタイルを採り、ベースとなるワインの清らかさを保ちながら、時間だけが成し得る奥深い香味の獲得を目指して造られています。
特筆すべきは、瓶詰め(ティラージュ)から澱抜き(デゴルジュマン)に至るまで、実に40ヶ月間という極めて長い期間にわたって澱とともに熟成させている点です。一般的なスパークリングワインの熟成期間を遥かに超えるこの年月により、酵母の自己消化が極限まで進み、きめ細やかで滑らかな泡立ちと、焼きたてのブリオッシュを思わせる芳醇な香ばしさが液体へと溶け込みます。
柑橘類や白い花を連想させる冷涼地特有のシャープなニュアンスに加え、熟成の極みから生まれるハチミツのような深いコクが見事に調和しています。軽快さだけを求めた量産型のスパークリングとは一線を画し、しっかりとしたエキス分と重みのある飲みごたえを追求した、本格志向の辛口(BRUT)仕立てです。
実飲感想
グラスに注ぐと、淡く艶やかな黄金色の液体から、細やかで均一な気泡が立ち上ります。その姿を見るだけでも長期熟成の重厚さが伝わってきますが、何よりも驚かされるのはグラスから立ち込めるアロマの圧倒的な密度です。まさに「香りだけで噛めそう」と感じるほどに濃厚で、空気が凝縮したかのような物質感を放っています。
トップノーズからガツンと鼻腔を揺さぶる強いパンチがあり、まるで食材を燻製させたかのようなスモーキーで香ばしい力強さが押し寄せてきます。40ヶ月もの長きにわたり澱と向き合い続けたことで生まれた自己消化の風味が、一般的な白スパークリングの枠組みを遥かに超えた奥深さを生み出しています。軽やかなフルーティーさとは対極にある、非常にヘビーで本格的な佇まいです。
口に含むと、しっかりとしたアルコール感と力強い骨格が舌の上にズシリと乗り、ワイン初心者や飲みやすさだけを求めるライトな層であれば、少し身構えてしまうほどの重厚なボディを持っています。しかし、時間の経過とともにグラス内の温度が上がってくると表情が一変します。硬さがほぐれるように芳醇な甘みと心地よい応答感がじんわりと現れ、瓶底から湧き上がるようなハチミツのコクが顔を覗かせます。

大手メゾンのモエ・エ・シャンドンやドン・ペリニヨンを連想させるような本格シャンパーニュへの接近を感じさせつつも、それらとは明確に何枚もの隔たりがあります。メジャーな大手シャンパンに見られがちな華美さや過剰な主張とは異なり、北の大地ならではの凛とした佇まいと、過度な癖を排した上品で洗練された質感が際立っています。有名銘柄が持つ記号的な味わいよりも、実直で品格のある仕上がりとなっており、シャンパーニュの王道を目指しながらも独自の気品を獲得した、非常に満足度の高い味わいです。
総評・おすすめのペアリング
北海道ワインが本気で世界のトップスパークリングに挑んだ、圧倒的な完成度を誇る一本です。決して万人受けする軽薄な軽快さではなく、ワインを飲み慣れた愛好家や、骨太で旨味の詰まった酒を好む飲み手にこそ強く響く、本格派のブラン・ド・ブランに仕上がっています。
その力強い燻製香や重厚なボディを活かすなら、合わせる料理もしっかりとした旨味や香ばしさを持つものが最適です。スモークサーモンや生ハムはもちろん、鴨肉のロースト、ハーブを効かせた豚肉のグリル、熟成したハード系のコンテチーズなど、濃厚な脂や風味を持つ料理と合わせることで、ワインの豊かなコクが料理の味わいを一層引き立てます。
少し高めの温度帯(10℃〜12℃前後)で大きめのグラスに注ぎ、時間をかけて温度変化による香りと甘みの移ろいを楽しむ飲み方がおすすめです。乾杯の一杯にとどまらず、メインの肉料理まで通して一本で寄り添うことができる、圧倒的な存在感を持っています。
まとめ
「トラディショナルメソッド北海道 Type C Blanc de Blancs 鶴沼収穫」は、40ヶ月という気の遠くなるような時間をかけて丁寧に育まれた、日本ワインの到達点の一つです。噛めそうなほど濃密なアロマと、燻製を思わせるパンチ、そして温度変化とともに広がる豊かな応答感は、飲む者に深い満足感を与えてくれます。
特別な記念日を彩る乾杯の席はもちろん、本質を知るワイン愛好家への贈り物としても自信を持って選べる重厚な逸品です。北海道の雄大なテロワールと職人の執念が生み出した極上の泡を、ぜひじっくりと時間をかけてご堪能ください。
HWYS株式会社